エンタングルメントosugi3yのブログ

14年勤めた企業をやめました。映画「時の行路」尾道市実行委員

オッペンハイマー ジョン・フォン・ノイマンだけがいない原爆開発〜シン・すべてがNになる〜

 映画「オッペンハイマー」を見た。その映画についての感想ではないが色々なことが同時に起きているのそれに関してのあれやこれやについての話である。

 この映画は量子力学の話として見るならそれなりに演出も時折画面が暗くなり絡み合った糸が振動している映像が挟まれるのでイメージとして量子力学に踏み込んだ演出をしているなと感じた。

 原爆開発時は確かに人間による計算で原爆は開発されていたようだが水爆開発はデジタル計算機を駆使して行われたので、ジョン・フォン・ノイマンが登場していないのは史実を知るものやIT関係者には不満の出る作品であったと思う。

 アインシュタインや(ややふっくらとした)クルト・ゲーデルが申し訳程度には出るがゲーデルは精神病患者のような扱いでこれもやや首を傾げる内容だった。

 現にウィリアム・パウンドストーン著「囚人のジレンマ」にはゲッチンゲン大学でダフィット・ヒルベルトの元でノイマンオッペンハイマーは出会っているし、その点でも出てこないことに非常に違和感を感じた。

 原爆開発でも核分裂をさせる爆縮核爆弾の発想はノイマンからもたらされていたわけであるのに、だ。

 ギリギリ水爆の父と言われるエドワード・テラーが出ているくらいのところは評価できる。

 しかし、原爆投下地の決定の際にノイマンは京都を強く主張した多くの記録に残っているが、京都を候補地から外す理由もグローブス中将が旅行に行っていいところだったからやめておこうとはずした理由もなんかもやる内容だった。

 良かったところはオッペンハイマーが原爆開発の先頭に立ち開発することになった際軍服を着て張り切っていたのにロスアラモスを去ることを決めた科学者が科学者らしくスーツを着ろと助言をしてスーツに戻ったところだ。

 あとはこの映画はR18だがこれは残虐表現や日本に足して行われた非道に関してのものではない。ところどころで挟まれる妻と愛人、そこから離婚して結婚に至るまでのSEXの表現に対してである。このあたりは価値観的にやはり20世紀を舞台にしているので妻の存在は社会的に見て重要なこととして描かれていた。

 アカデミー賞のノミネートの数が宣伝文句になったりしてる時点で作品として宣伝するポイントが少ないんだろうし、史実を知るものからも、不満の残る作品ではある。f:id:osugi3y:20240407154356j:image

 唯一見ていて同意した点は、ナチス憎しで開発が進められた原爆だが、ナチスが負けて使う場所が亡くなった時にソビエトからの連絡で日本に落とすのがいいだろうということでアメリカもソビエトも同意していたところだ。

 アカデミックな部分では不満が残るが、世界的立ち位置を勘違いしている日本は第二次世界大戦の頃から勘違いしていたんだなと納得した内容だった。

 音の表現が特徴があったので見るならI MAXでの視聴をお勧めする。

 途中ダレて少し眠ってしまったが暇ですることがないという人にはお勧めできる作品だ。

 この頃は原爆保有国はアメリカだけだったがこのごソビエトも原爆を完成させ今では世界に核弾頭は12520発存在している。国民を守ると言っている人たちがいるがこのうち数十発でも打ち込まれれば太刀打ちできないのでうまいこと外交で立ち回るといことをを日本にはしていってほしいなと感じさせる映画だった。